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うつ病

  • 気分が沈む、何も楽しめない
  • 常に疲れを感じる、身体が重い
  • 集中できない、思考が鈍くなる

うつ病は、日本人の約15人に1人が一生のうちにかかるという、誰でもかかりうる身近な病気です。気分が長期間落ち込んだり、興味を感じにくくなったり、集中力や意欲の低下、疲労感、睡眠障害や食欲不振を伴うこともあります。うつ病の原因は一つとは限らず、明確なきっかけがなくても発症することがあります。

現在のうつ病の診断には、アメリカ精神医学会による「精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5およびDSM-5-TR)」と、世界保健機関(WHO)による「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD-10およびICD-11)」が用いられています。

これらの診断基準と照らし合わせながら、患者さまのお話をよくうかがい、治療法をご提案いたします。

うつ病

双極症(双極性障害)

  • 異常に元気で、眠らなくても平気なときがある
  • 思いつきで衝動的な行動をしてしまう
  • 気分の差が非常に激しい

双極症(双極性障害)は、気分が高揚する「躁状態」と、深い落ち込みを伴う「うつ状態」が交互にあらわれる病気です。

躁状態のときは、非常に活動的になり仕事などにも精力的になりますが、問題行動(浪費や粗暴な運転など)により社会的機能に支障をきたすこと、根拠のない自尊心の肥大化などが生じることがあります。対して、うつ状態になると強い落ち込みや無気力感があらわれます。

治療法としては、薬物療法や病気をコントロールするための心理社会的治療を行っていきます。

双極症(双極性障害)

パニック症

  • 突然、心臓が激しく鼓動し、息ができなくなる
  • 恐怖感や死ぬのではないかという不安を感じる
  • パニック発作を避けるために外出しづらくなる

パニック症(パニック障害)は、不安症の一つです。

突然、強い恐怖感や動悸、息切れ、めまい、手足の震えなどを感じるパニック発作が繰り返し起こります。また、パニック発作が起きるのではないかという「予期不安」や発作を避けるために行う「回避行動」に悩まされることもあります。外出が難しくなったり、広場恐怖症やうつ症状を併発したりと、社会生活に支障をきたすことが多いです。

薬物療法や精神療法に加え、生活指導や環境調整などが治療の選択肢として挙げられます。周囲の理解と協力を得ながら、少しずつ苦手な状況に挑戦していくことが大切です。

パニック症

適応反応症(適応障害)

  • 強いストレスを感じるが要因がわかっている
  • 気分が落ち込みやすい、涙もろい
  • 意欲の低下や疲れた感じが続いている

適応反応症は、過度なストレスや環境の変化に適応できず、気分の落ち込み、不安、身体的な症状などがあらわれる疾患です。ストレス反応として、めまいや動悸、頭痛や倦怠感などを伴うことがあります。

仕事や家庭、学校など日常生活でのストレスが引き金となることが多く、
ストレス要因の解決や薬物療法により、徐々に症状が緩和されることが多いです。

適応反応症(適応障害)

自律神経失調症

  • 動悸や息切れを感じる
  • めまいや立ちくらみ、頭痛が頻繁に起こる
  • 身体がだるく元気が出ない

自律神経失調症とは、正式な病名ではなく、自律神経のバランスが崩れることによってさまざまな症状が起きている状態のことです。

症状は、身体面にあらわれるものと精神面にあらわれるものがあります。
身体面では動悸、息切れ、めまい、立ちくらみ、頭痛、だるさなどのさまざまな不調があらわれます。また、腹痛や下痢、睡眠障害などを伴うこともあります。
精神面では、情緒不安定、イライラ、不安感などがあらわれます。
一つの症状だけの方もいれば、複数の症状があらわれる方もいます。症状の強さも人によってさまざまです。

過度のストレスや睡眠習慣、食事の習慣などが原因となることが多く、治療では生活習慣の改善や、必要に応じて薬物療法・精神療法を行っていきます。

自律神経失調症

社交不安症(あがり症、赤面症)

  • 人前で話す、注目を浴びるのが極端に苦手
  • 会話中に赤面したり、手が震えたりする
  • 自分が他人にどう思われているかが非常に気になる

社交不安症は不安症の一つで、人前で発言や行動することに強い不安と恐怖を感じる疾患です。

プレゼンや発表、人と会話をするときなどに、手が震える、赤面する、冷や汗をかく、動悸や息苦しさを感じる、などの症状が生じます。社会的な場面を避ける傾向が強くなり、仕事の場で困っているという方もいらっしゃいます。

治療法としては、薬物療法や精神療法を行っていきます。

社交不安症(あがり症、赤面症)

不眠症

  • 寝つきが悪く、布団に入っても長時間眠れない
  • 夜中に何度も目が覚め、再び寝るのが難しい
  • 朝早く目が覚め、その後眠れない

不眠症は、さまざまな持続的な睡眠問題が起きる病気です。睡眠問題には、寝つきが悪くなる入眠困難、眠りが浅く何度も目が覚める中途覚醒(睡眠維持困難)、早朝に目が覚めてそのまま眠れなくなる早朝覚醒などがあります。

また、これにより日中の眠気や身体のだるさ、集中力の低下や食欲不振が生じ、日中の社会的機能に支障をきたす疾患です。ストレスや不安、生活習慣の乱れが原因であることが多いとされています。

睡眠衛生指導に加え、薬物療法など、考えられる原因や症状に合わせて適宜治療をご提案いたします。

不眠症

強迫症(強いこだわり)

  • 手を何度も洗わないと気が済まない
  • 戸締りやガス栓が心配で何度も確認してしまう
  • ものの配置がいつもと同じでないと落ち着かない

強迫症は、強迫的な思考や行動が繰り返される状態です。

たとえば手洗いを何度もしたり、「カギを閉めたか」「コンロの火を消したか」などの確認行動を何度も繰り返してしまったりします。また、特定の数字やものの配置などにこだわってしまう場合もあります。

これらの思考や行動のために時間を浪費し、生活に支障が出ている場合は、強迫症である可能性があります。薬物療法や精神療法など、強迫観念を和らげる治療を一緒に考えていきましょう。

強迫症(強いこだわり)

認知症(もの忘れ)

  • ものをどこに置いたか忘れてしまう
  • 人の名前や顔を忘れることが増えてきた
  • 新しい情報を覚えるのが難しい

認知症は、脳の病気や障害によって認知機能が低下し、社会生活に支障をきたす状態を指します。記憶障害や理解・判断力の低下、被害妄想や失語といった症状が起こり、認知症の状態を引き起こす原因となる病気は別にあります。
最も多いのはアルツハイマー型認知症(神経変性疾患)で、記憶力や認識能力の低下が強くあらわれます。

もの忘れがあるからといって、必ずしも認知症というわけではありません。加齢によるもの忘れと認知症によるもの忘れには異なる特徴がありますので、認知症の疑いがある場合は、早期に医師の診断を受けていただくことをおすすめします。

認知症に対する根本的な治療法や予防法は見つかっていません。認知症は進行性の病気であり、症状の進行を遅らせるための薬物療法などをご提案いたします。

認知症(もの忘れ)

注意欠如多動症(ADHD)

  • 集中できず、注意が散漫になる
  • 作業を始めても途中で気が散り、最後までやり遂げられない
  • 落ち着きがなく、じっとしていられない

注意欠如多動症(ADHD)は、生まれつき脳の一部に機能障害があることで、「不注意」「多動性」「衝動性」といった特性が生じる発達障害のことです。小児期に診断されることが多く、成長とともに落ち着くことが多いですが、大人(成人期)になっても症状が持続したり、大人になってから症状が明らかになることもあります。
ケアレスミスが多い、締め切りに遅れる、約束を忘れてしまう、会議や授業に集中できない、といった「不注意」の特徴が強く出る傾向があります。
大人の方でも社会でのコミュニケーションや職場でのトラブルに悩んでいる方もいらっしゃいます。また、ストレスにより適応反応症やうつ病、素行症を併発することもあります。

日常生活に支障が出ている場合は、心理社会的治療や薬物療法などが、お悩みを解決する助けになるかもしれません。ぜひご相談ください。

注意欠如多動症(ADHD)

産後うつ

  • 産後から気分の落ち込みが続いている
  • 育児がつらく、無力感や孤独感がある
  • 睡眠不足や食欲不振が続き、体力が続かない

産後うつは、出産後に気分の落ち込みや無力感が続いたり、育児への不安やイライラが強くなり、自責感や自己評価の低下などを感じる症状です。産後3ヶ月以内に発症することが多く、2週間以上持続します。

ホルモンバランスの変化や育児による心理的な負担、睡眠不足などが原因となることが多いです。赤ちゃんへの愛情が感じられない、育児がつらいと感じる、社会的孤立感が強まる、などの感覚に不安を感じ、自責的になる方もいらっしゃいます。

一時的な疲労や生活環境の変化によるものと考えられがちですが、長く続く場合はうつ病の一種としてしっかりと治療する必要があります。

産後うつ

月経前症候群(PMS)

  • イライラや不安から人に当たってしまう
  • 頭痛や腹痛、体がむくむことがある
  • 気分が落ち込むことがある

月経前症候群(PMS)は、排卵後から月経開始までの期間に現れる身体的・精神的な不調のことを指します。

症状は個人差が大きく、イライラ、抑うつ、不安感、集中力の低下などの精神的なものから、腹痛、頭痛、乳房の張りなどの身体的なものまで多岐にわたります。

これらの症状が生活や仕事に支障をきたすことも少なくありません。つらいと感じたら、我慢せずに専門医へご相談ください。

月経前症候群(PMS)

更年期障害

  • 顔がほてる、発汗する
  • イライラ、不安感、抑うつなどの不調がある
  • よく眠れない、疲れやすくなった

更年期障害は、主に40代後半から50代半ばにかけて、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少によって引き起こされる心身の不調です。

代表的な症状には、顔のほてり・異常な発汗・動悸などの自律神経系のトラブルがあります。また、イライラや不安感、気分の落ち込みといった精神的症状も多く、場合によっては抑うつ状態に陥ることもあります。さらに、眠れない・疲れやすい・集中力が続かないなど、生活の質が低下するケースもあります。

これらの症状は個人差が大きく、人によって様々です。我慢せずに専門医に相談することで適切なサポートが受けられます。

月経前症候群(PMS)

過敏性腸症候群

  • 腹痛やお腹の不快感が繰り返し起こる
  • ストレスや緊張を感じると症状が現れる
  • 排便後だけ一時的に症状が落ち着く

過敏性腸症候群は、検査で明らかな異常がないにもかかわらず、腹痛や腹部不快感、便通の異常(下痢・便秘・両方の繰り返し)などが慢性的に続く疾患です。

精神的ストレスや緊張が症状を誘発・悪化させることが多く、特に仕事前や通学途中など、特定の場面で症状が強まる傾向があります。

排便後には症状が一時的に緩和されることが一般的です。生活の質に大きく影響を及ぼすこともあるため、適切な治療とストレスマネジメントが重要です。心と体のバランスを整える治療が効果的です。

月経前症候群(PMS)

発達障害

  • コミュニケーションが苦手で、人との関わりが難しいと感じる
  • 予定の変更や予測できない状況に混乱してしまう
  • 集中力がもたない、じっとしていられない

発達障害は、生まれつきの脳の特性によって、社会的なやりとりや行動のコントロール、感覚の受け取り方などに違いが見られる状態を指します。

代表的なものには、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)などがあり、人によって特性や困りごとの程度はさまざまです。

たとえば、空気を読むことが難しい、じっとしていられない、決まったやり方に固執するなどの行動が見られることがあります。早期の理解と適切な支援が、生活のしやすさを大きく改善します。周囲の理解と連携も重要です。

月経前症候群(PMS)

身体表現性障害

  • 不調があり検査をしても、異常が見つからない
  • 痛みや吐き気、しびれやふるえなどの症状が起こる
  • 倦怠感や疲労感が続いている

身体表現性障害は、明確な医学的原因が見つからないにもかかわらず、痛み、吐き気、しびれ、倦怠感などの身体症状が長期間続く状態です。

検査では異常が見つからず、医療機関をいくつも受診するケースもあります。
これらの症状は、心のストレスや不安が身体に現れる「こころのサイン」であることが多く、身体だけでなく精神面へのアプローチが必要です。本人は症状に本当に苦しんでおり、周囲の理解と医療的サポートが重要です。適切な診断と治療で、生活の質の改善が期待できます。

月経前症候群(PMS)
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